知的財産権研究会

「知的財産権研究会」は1985年秋、知的財産権法の新しい潮流を探りそれを把えようと、東京大学の中山信弘教授(現在 東京大学名誉教授)を中心に、研究者、弁護士、弁理士、実務家等多彩な顔ぶれによって構成され、当事務所がその運営の手助けをしているものであり、研究会の開催は100回を超えた。
研究会の成果は、『知的財産権研究』としてまとめられており、100回記念にあわせて第5巻が刊行されている。
ここでは、これまで刊行されたものの目次及び最近の研究テーマを紹介する。

知的財産権研究

第1巻目次

  1. 1不完全利用と包袋禁反言
  2. 2独占的通常実施権の効力
  3. 3先使用権の成立と効力の範囲
  4. 4通常実施権者の無効審判請求人適格
  5. 5並行輸入と商標
  6. 6「書体」の権利性
  7. 7絵画の複製物の引用
  8. 8コンピュータ・プログラムと著作権
  9. 9出版契約と出版権をめぐる諸問題
  10. 10商標権と著作権の衝突
  11. 論評米国における知的財産権の保護

第2巻目次

  1. 1公開特許公報の「刊行物」性
  2. 2共有者の一人による損害賠償請求と特許法102条1項
  3. 3商標権侵害と損害賠償請求
  4. 4「商標的使用」の概念と商標権侵害
  5. 5サービスマークの保護
  6. 6壁画の複製権、変形権侵害
  7. 7不正競争行為差止請求
  8. 論評トレードシークレットの保護と不正競争防止法の改正

第3巻目次

  1. 論評デジタル時代における著作権の変容
  2. 1職務考案・職務意匠の成否と法定通常実施権
  3. 2並行輸入に対する特許権侵害
  4. 3早期公開制度の是非と実用新案権
  5. 4実用新案法・著作権法・不正競争防止法による権利保護の可能性とその限界
  6. 5並行輸入と登録商標権
  7. 6商標法における自他商品識別機能と「商品」概念
  8. 7商標権侵害と「商標的使用」
  9. 8他人の商品のデッド・コピーと不法行為の成否
  10. 9広告用写真の著作権
  11. 10パブリシティの権利

第4巻目次

  1. 1「特別事情」による仮処分取消申立事件
  2. 2特許発明の保護と均等論の適用
  3. 3均等の適用要件
  4. 4特許発明の技術的範囲の解釈
  5. 5不使用取消審判請求人適格
  6. 6計測装置等の回路基盤のROMに収納されている制御用プログラムの著作権
  7. 7著作権侵害差止請求
  8. 8連載漫画の保護期間と複製権の準占有による時効取得
  9. 9優越的地位ないし頒布権を利用したゲームソフトの中古販売規制の可否
  10. 10不正競争防止法の形態模倣と意匠権侵害の異同
  11. 11不正競争防止法2条1項3号における「模倣」の認定方法

第5巻目次

  1. 1特許法69条1項の解釈
  2. 2単一の色彩の商品表示該当性
  3. 3パソコンのデザインの商品表示性及び混同のおそれ
  4. 4ゲームソフトと同一性保持権
  5. 5ドメイン名をめぐる不正競争行為事件について
  6. 6日本国内の行為に基づく米国特許侵害の成否について
  7. 7まねきTV事件
  8. 8ニュース記事見出しの著作物性とその利用による不法行為の成否
  9. 9リサイクル・インクカートリッジ事件最高裁判決の検討
  10. 10「進歩性の判断」に関する論点

知的財産権研究会過去10回研究テーマ

  • 第158回(2020.6.16)

    特許法102条1項に基づく損害額の認定方法

    一審  大阪地裁平成28年(ワ)第5345号 平成30年11月29日判決
    控訴審 知財高裁平成31年(ネ)第10003号 令和2年2月28日判決

  • 第157回(2020.2.25)

    建築の著作物の創作性ーステラマッカートニー青山事件ー

    一審  東京地裁平成27年(ワ)第23694号 平成29年4月27日判決
    控訴審 知財高裁平成29年(ネ)第10061号 平成29年10月13日判決

  • 第156回(2019.11.26)

    真正商品の並行輸入に関し、外国の商標権者と我が国の商標権者とが異なる場合にも商品の品質管理可能性が認められるかーNEONEROアクセサリー並行輸入事件ー

    一審  東京地裁平成28年(ワ)第10643号 平成28年10月20日判決
    控訴審 知財高裁平成28年(ネ)第10104号 平成30年2月7日判決

  • 第155回(2019.9.3)

    画像デザインの意匠法による保護:[映像装置付き自動車]

    一審 知財高裁平成28年(行ケ)第10239号 平成29年5月30日判決言渡

  • 第154回(2019.6.25)

    フラダンスの振付けの著作物性について

    一審 大阪地裁平成27年(ワ)第2570号 平成30年9月20日判決

  • 第153回(2019.4.2)

    未発表曲の無断放送に対する著作権法の制限規定の適用について[ASKA 未公表楽曲無断放送]東京地裁平成30年12月11日(平成29(ワ)27374号判例集未搭載)

    一審 東京地裁平成29年(ワ)第27374号 平成30年12月11日判決

  • 第152回(2019.1.22)

    「発明」該当性についてー「いきなりステーキ」事件ー

    一審 知財高裁平成29年(行ケ)第10232号 平成30年10月17日判決

  • 第151回(2018.11.6)

    「Twitter:リツイート事件」

    一審  東京地裁平成27年(ワ)第17928号 平成28年9月15日判決
    控訴審 知財高裁平成28年(ネ)第10101号 平成30年4月25日判決

  • 第150回(2018.9.18)

    「風にそよぐ墓標事件(日航機墜落事故のノンフィクション作品をめぐる事例)」

    一審  東京地裁平成23年(ワ)第33071号 平成25年3月14日判決
    控訴審 東京高裁平成25年(ネ)第11027号 平成25年9月30日判決

  • 第149回(2018.7.3)

    パラメータ特許のサポート要件-トマト含有飲料事件

    一審 知財高裁平成28年(行ケ)第10147号 平成29年6月8日判決